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ベトナムキャスト インタビュー

Nguyen Thi Can

グェン・ティ・カン

ベトナム国立ダンスカレッジにて舞踊を履修。同校修了後、ベトナム国立オペラバレエ団にダンサーとして所属、その傍ら2015年からはハノイ映画演劇大学ダンス学科に入学し現在に至る。ベトナムの革命家を題材としたバレエ作品『Vo Thi Sau』にソリストとして出演、金賞を受賞(2015)。 べトナム功労芸術家の称号受与。バレエ、コンテンポラリーダンスの国際プロジェクトにも参加しており、欧米のカンパニーとのツアー経験もある。

Q:表現の世界に入ったきっかけ、影響を受けた人や存在について伺えますか?


 幼い頃に両親を亡くしたため、子供の頃は施設で暮らしていました。そこでは生活するほか、いろいろなことを学ぶ時間もあったのですが、私は踊ることが好きで、カリキュラム以外でもよく踊っていたのだそうです。それを見ていた施設の先生が、本格的にダンスを習うことを勧めてくれました。親の助けが望めない以上、私は早く、自分の力で生きていけるよう自立する必要がありました。ダンスは私にとって、自立して生きるための最適な方法だったのです。

Q:小野寺修二との創作、稽古についてどのように感じていますか?


 創作の過程を、初めての人にもわかりやすく細かく提示して下さるのに、まず驚きました。小野寺さんもスタッフの方たちもとても親切で、ベトナムではスタッフや劇場の担当者などと、ある程度の距離を感じるのですが、小野寺さんの稽古場では全員が一緒に作品に向かっていると思える。とても充実した時間です。

Q:あなたにとって「ベトナム」はどんな国ですか?


 文化でも社会状況でも、何事につけ、変化の速度が非常に速く、そのことが私にとってはストレスに感じられる時があります。芸術に携わる人間としては、そんな急速に変わっていく国の中で、伝統を守るために闘わなければとも思うのです。便利さに流されてしまうこともありますが、私はその両方に目を向け、大切なことは見失わないようにしたいと思っています。
 

Q:あなたが創作や表現をするうえで、大切にしていることはどんなことですか?

 ダンサーとしての立場から考えると、周囲にアンテナを張り巡らせて観察し、またよく聞くことが大切だと思っています。事前に覚え、身につけた振付に、それら見聞きしたことを加えて舞台上で新しいものを生み出す。それが理想の表現だと思います。

(インタビュー/編集:尾上そら)

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